B.A.L

旧Belltone Audio Lab.

Belltone Audio Laboratory Twitter:@belltoneaudio ポータブルオーディオにまつわる日々

■VT AUDIO 3BA+1DD イヤホン IEM/ B.A.L レビュー 500時間エージング追記アリ

移転しました。

VT AUDIO 3BA+1DD イヤホン IEM

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先日注文していたVT AUDIO 3BA+1DDのイヤホンが海外から届きました。

こちらのVT AUDIOというのは海外のaliexpress内のショップ(セラー)が取り扱っている商品です。
既存のユニバーサルイヤホンと違って構成やデザインを選択できるのが特徴です。
ここ数か月でかなり市場が成長してきて今では12BAのシェルをセミカスタマイズできるユニバーサルイヤホンが7万~で購入できる状況です。
6BA(+1DD)で300$~とかもありますね。
今回購入した3BA+1DDは構成的にはOriolusと同じで200$くらいでした(当然中身は違いますが)

中身が違うと言ってもなんか安い=得体のしれないドライバが入っているのでは?というイメージもありますが実際のところはそんな事はありません。

今回購入したものはKnowlesのBAドライバと8mmのダイナミックドライバが搭載されています。

 

■使用ドライバ詳細■


Knowles ED29689
ユニバーサルではER-4シリーズが採用してるBA。
フルレンジorツイーター用。
CIEMではFitear,Jomo Audio,Kumitate Lab,Live ZoneR41,Noble audio等々多くのメーカーでよく使われている定番BA。
高域強調の音傾向。

Knowles DTEC-31116(dual)
DTECもカスタムでよく使われるウーハー。
同じ型番かはわかりませんがDTECシリーズはOriolusやUM mason、HEIR Audioでも使われていますね。
WESTONEや64ADELや魔法少女にも使われていたりします。
2機のTECがタンデムされ一体となった小型デュアルドライバー。
歪みやすい重低音の量を抑えると共に低域全体の歪み率を下げられる。


8mm Dynamic Driver
近年のダイナミックとしては小さめのダイナミックだが、ハイブリッドでの使用なのであり。

 

これだけ見ると心配する要素は特にないという事がわかると思います。強いていえばそのダイナミックドライバは何なんだ?という事くらいでしょうか。

 

シェルの造りも普通に丁寧でUMやOriolus等のシェルが大き目のユニバーサル機とクオリティは同等に感じました。
今回注文したイヤホンはカスタムIEMで見かけるようなWatch Components OptionやTime machineといった時計のギアを使用したカスタムデザインです。


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デザインはお任せで購入ページにあるサンプルの画像を送ってこれと同じような感じにしてねって伝えるだけです。

 

その出来上がりがこちらなのですが、お願いしたデザインとは結構な違いがありますね。

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後に聞いたら3BA+1DDではこのプレートと同じようなデザインにする事は不可能だそうです。
私は英語が得意ではないので100%意思疎通が出来ていなかったと思いますし、反省点として今後に生かしたいと思います。
通常のイヤホンを注文する時にはこういう心配はいらないのですが、今回のような個体差の大きい製品を注文する時はこちらのイメージを詳細に伝えてそれが可能か不可能かどうかをきちんと確認をしてからオーダーするのが間違いないでしょう。

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半透明のシェルで中の配線とか見えるのですが思っていたより丁寧に作られているようです。
ちなみにMMCXと3.5mmジャックはロジウムメッキコーティングです。

 

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謎のMMCXケーブルが付属していますが、このケーブルがかなりお気に入りです。
耳かけ部には柔らかい透明スリーブがあります。
見た目的には四芯銀メッキ銅線ケーブルでしょうか?
取り回しも良くクロストークも少なく良いです。
日本だと7980円くらいで売ってそうなケーブルに感じます。

 

ここまでは文句なしの出来ですが肝心の音はどうでしょうか?
※エージング50時間での感想です。

 

まずサウンドステージは上下に広く奥行もやや感じる事が出来ます。
クロストークは極小ですね。全く問題ありません。

帯域バランスは全体的によくまとまっているなと感じました。
3BA+1DDという事で結構で結構ドンシャリ系でローがっつりなのかな?というイメージがありましたが想像とは全然違った音です。
低域は深い低音も一応出ていますが控えめ。通常低音も必要量が出ていてローをプッシュしているわけではなさそうです。
中域も思ったよりも出ていて歌の艶やスネアの音に特徴を与えているように感じます。
高域は全く刺さる事なく刺さるくらいの高音を求める人には物足りなさを感じるでしょう。


このイヤホンはイヤーピースでかなりキャラクターが変わります。
スパイラルドットでは中域もしっかり出る元気の良い音をCrystal Tipsやコンプライでは90度変わって大人の落ち着いた音になります。
64AUDIOのU10やWESTONE系の音に近い印象を受けました。
コンプライ系を使うと結構音が吸収されるというか高域を持っていかれて音が劣化すると私は感じているのですが、このイヤホンの場合はそれがちょうどいい具合で合うと思います。

 

■総評■

国内で2万円前後でこの音が出るイヤホンは…なかなかないのではないでしょうか?

もっと高価格のハイブリッドイヤホンと試聴比較をしても全然負けていないなと感じるものもありました。
実際の音のレベルは高いです。

商品自体にはとても満足していますが届くまで普通の通販よりも時間がかかる事、意思疎通は英語という事、何か問題があった時の事を考えると結構面倒くさいのでその辺を考慮できるならオススメです。

 

---500時間エージング追記---

2016/12/5
購入してからかなり使用していたのでもう500時間以上は鳴らしました。
職場には空いたPCが幾つかあるので私の権限で仕事中は音を鳴らしっぱなしに出来る環境というのは良いものです。

上の自分で書いたレビューを見直していて最初の印象としてはハイブリッドなのにそこまでローが出ていない?といったものでした。
その時と比べると低音の量感も若干増え深い低音も以前より出ているとわかりやすくなりましたが低音の緩さは変わっていません。
ただ最近出てきている多ドラBA機やハイブリッドと比べると物足りなさもあります。

 

具体的にはJomo AudioのSambaやRhapsodio(ラプソディオ) のSolarにUE5proやUnique MelodyのMaverick+やCypher LabsのAustruやJH AUDIOのMichelleですね。
ココらへんのIEMは低域がしっかり出ていて締りもある質の高い低音を鳴らしますが、聴き劣りする部分を感じます。

 

中域は特に変化も見られず高域は若干クリアさを感じられるようになった気がしますが、低音が少し前に出てきた分相対的に弱めに感じられるようになりました。

 

帯域バランスは全体的によくまとまっていると以前感じましたが、全体を見てもその印象は変わらないままです。
ちょっと低音が物足りないかな?というのはなくなりよりまとまりが良いイヤホンになったなと感じています。

 

国内の店舗でこのレベルのイヤホンを2万前後で探しても今はないと思います。
割りと最近購入したXiaomiのmi In-ear headphones pro HDの時も思いましたが、改めて近年のチャイナクオリティの向上を感じますね。
VT AUDIOの6BA+1DDも評判がいいので気になってはいるのですが、つい最近CIEMを購入して現在制作中なので今は初カスタムを楽しみにしていようと思います。

 

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■参考スペック■
モデル番号:VT Gear
Frequency response range:50-20000Hz
Frequency Response:8-25000Hz
Sensitivity:110dB
Input Impedance:16
ΩDriver Type:3BA+1DD

Model Number: VT Audio
Transducer Principle: 1dd+1ba,1dd+2ba,1dd+3ba,2ba,3ba,4ba,6ba.
Driver Diameter:Knowles
Impedance: 16 ohm
Sensitivity: 110dB
Frequency Response: 8Hz-25kHz
Interface:3.5mm Giled
Color:check in the details
With Cable or not: with cable